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くら寿司バイトテロ炎上、的外れな責任追及

SNSに不適切動画を投稿した若者二人に制裁が下された。

2月8日、回転寿司チェーン「くら寿司」を展開しているくらコーポレーションが、不適切動画を投稿した従業員二人を解雇すると同時に、刑事、民事での法的措置の準備に入ったことを発表した。

6日、くらコーポレーションの株は130円下落し、時価総額約27億円の損失が発生した。もし、損害賠償ということになれば、高額な賠償金を請求される可能性も出てくる。

巷では、称賛する声がある一方、厳しすぎる処置ではないかという疑問の声も聞かれた。

動画の内容は、一度ゴミ箱に捨てた食材を取り出して、再びまな板に乗せるといったいわゆる「悪ふざけ」だが、それがインスタグラムにアップされ、誰かがそれを見てリークしたのか、Twitterで拡散されたというのが事の発端のようだ。

SNSが悪いという考え

こうした企業の信用を著しく傷つける不適切な悪ふざけ投稿を「バイトテロ」と呼ぶらしい。

今回、くら寿司側が取った対応が、若者二人にとって厳しいか、妥当かという議論は至るところでされているので、ここで同じ議論をしても仕方ないだろう。

巷では、そもそも若者の悪ふざけは今に始まったことではなく昔からあったが、それがSNSによって拡散されてしまった結果、今回のような騒動に発展したのだと分析する記事も見受けられる。

僕は、思う。

誰が動画をリークし、誰がそれをリツイートしたのか?

SNSは、ウイルス感染のようにコンテンツを自動拡散させる装置ではない。拡散するには、人がリツイートボタンを押すという行為が必要なのだ。

例えば、Twitterで不適切動画を見つけたときに、その人が「また、若者が悪ふざけをしている。バカだな」と受け流せる人間ならば、リツイートボタンを押しただろうか?

動画を拡散させている人々は「けしからん。これは人々に知らせるべき許されない行為だ!」と怒りを込めて、リツイートボタンを押しているはずだ。

そして、それに追従して「これは炎上の匂いがする。面白そうだからリツイートしよう」と炎上煽りの野次馬たちが動き出す。

SNSという仕組みのせいで拡散したのではない。「人」によって拡散したのだ。まず、それを見誤るべきではない。

それは世論ではない

そして、その拡散の大きさは、若者二人が行った行為の罪の重さを表しているわけでもない。それは、単に「動画の内容に腹を立てた人の数」に過ぎない。

もちろん動画を見て、リツイートしなかった人もいるわけだ。もしかすると、軽く受け流した人の方が、リツイートした怒れる市民よりも多かったのかもしれない。もっと言えば、炎上の最中、動画の存在すら知らずにくら寿司を訪れる人もいただろう。

しかし、それは表面的な数字になることはない。数字になるのはリツイートされた数であり、常にアクションを起こした側だ。ゆえに、それが社会的な反響としてマスコミに取り上げられてニュースになる。

社会全体が怒っているわけではなく、比較的そういった事柄に敏感な人々が、表面化しているだけなのだ。

怒れる市民への対応

SNSは様々な考えを持った人が自由に発言出来る場だと考えるのは、誤った見方だ。SNSで声が上がるとすれば、声を上げる動機を持った場合だけであり、無関心層はそもそも声を上げない。

「別にほっておけばいいんじゃない」と思う人は、その意見を誰かに伝えるために時間を割いて投稿したりはしない。反響を呼べるような意見ではないからだ。

なのでSNSに投稿されるメッセージは、しばしば感情的で、日常生活で気楽に行われる会話とは明らかに違っている。

今回のくら寿司側の厳しい対応は、こうして表面化した一部の「怒れる市民」に答えるものだったと考えると、どうだろう?

若者に向けられたバッシング

とは言え、若者二人が行ったことが「悪ふざけ」であることには変わりない。

くら寿司側の発表では、動画で使われていた魚は結果的には調理に使われることはなかったそうだが、ネットでは例の動画が永久保存版になり、店の特定、若者二人の身元の特定がされ晒される、という事態に発展している。

くら寿司の対応については、それなりの考えがあってのことだと思うが、それ以外のネットで行われているこうしたバッシングは、僕には、ただの「悪ふざけ」にしか見えない。

これについては、叩かなくてもよいのだろうか?

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